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映画 「雨とあなたの物語」(비와 당신의 이야기) 感想
映画館に4回も通って見ました。
実は私はあまり映画を見る人ではなく、更に映画館で映画を見ない人でした。
しかし、今回は大好きなカンハヌルさんを大スクリーンで見たいというのと、
チケットの半券集めというオタク心をくすぐる企画に乗せられて、何度も通っています。
何度も見ていたら、途中で眠くなってしまうかも、、、と大変失礼なことを思っていたのですが、逆に毎回、違うところで涙しているため、せっかくなので、今の感想をまとめてみることにしました。
思いっきりネタバレですので、ご注意ください。
また、本感想は私が好き勝手に解釈しているものです。そのあたりもご容赦いただきたく、どうぞよろしくお願いいたします。
この映画は、行間が埋めらることによって潤いを得て元気を頂ける、温かい雨のような映画だなと思いました。
初回1回目はカンハヌルさんの声、そして大画面に映し出される姿を見るだけで感動し、メインの筋を追うだけで終わりました。
2回目は気が付くとスジン目線で追っていて、それで涙しました。
3回目に見た時、後半になるにつれて胸がいっぱいになって涙があふれていました。
そして4回目、今度は映画が終わった時に胸が熱くなってまた泣けました。
何故そのように胸熱になったのか、考えてみました。
まずはヨンホの成長です。
夢もなく、とりあえず兄を追って有名大学へ合格するための予備校通い。
国語はとてもできるのに、理数系が足をひっぱって(成績表でわかります)2浪。
国語ができることはヨンホのセリフからもわかります。
ちょっと比喩的で文学的な表現しているけれど、言っていることは結構きつい(「星」と上げて置いてそのあと落としているし)。
人付き合いについても、自分の気持ちをごまかせず、そのくせ押されたら断れない優しい罪な男。
そんなヨンホだからきっと手紙の文面も結構女心つかむ内容だったのかなーと思いますが、手紙の自分とギャップのある現実とちゃんと向き合って、そして自分らしい道へ踏み出す、その成長に胸が熱くなりました。
更に、それを見事に演じ分けているハヌルさんに改めて惚れ直し。
ビジュアル的には前髪に分けめが出来たと髪型が多少変わっただけなのに、表情や醸し出す雰囲気が全然違う、見事としかいいようがないです!
大人ヨンホが好き、と思っていましたが、考えてみれば当たり前でした。
次はスジンです。
複雑な家庭環境による心の傷を負いながらも、あっけらかんとして、自由奔放にヨンホを引っ張っているように見えながら、結果的には転がされた感のあるスジン。
メッチャ塩ヨンホにもめげず、自分の道を切り開いてヨンホの幸せも祈れる素敵な強い女性になっているのに涙がでました。
大人になってからのヨンホとスジンの再会も見ものでした。
はっきりいって、全くスジンのことなど思い出していなかったヨンホ。
「私のこと思い出したことある?」と聞かれて、「レスリーチャンの映画見るときなかったから」と、うまいこと交わしたヨンホ。
私だったら
「え? あ~ちょっと顔に虫がついているねっ(ばしっ)そんなこと言えるようになったなんて大人になったのねぇ(にっこり)」
ってすると思いますが、
ただ美しい笑顔で一言「大人になったのねぇ」というスジン。貴方の方が大人です。
ヨンホはスジンと別れたあと、映画(欲望の翼かな)をみて、それで傘を作った様子。
映画の台詞がきっかけになっているようだけど、その台詞を覚えてないです(次の要確認案件1)
その後傘を渡した時、スジンから「ヨンホの笑っているけど寂しそうな笑顔が好きだった」というスジンをみつめるヨンホの表情が、ビジュアル的によすぎたのはおいておいて、あれは何を語っていたのかなと思います。
“笑っているけど寂しそうな顔”というのはもともとはスジンのお兄さんに対するもの。
そのお兄さんは自殺をしてしまい、その笑顔に似ているレスリーチャンが好きと、スジンは言っていました。同じような笑顔のヨンホに惹かれたのは、ほんとは元気なスジンの奥に深い寂しさがあったからかなと思います。そんなスジンをようやく理解して、のヨンホ表情なのか、、、
4回目の鑑賞では更に周囲の人たちにも胸が熱くなりました。
まずはお兄さん。高学歴で失敗とは縁がなく、偏った価値観のお兄さんが挫折を経験し、人間的な温かみを持つようになったのを、お店の外でお父さんとヨンホの姿を見ているシーン、お父さんのお店の看板、そして革靴で感じました。
引きこもりになって人と接するのを怖がっていたブックワーム君が自転車に乗れるようになって、お店をだしていたのも嬉しかったです。
ソヒについていえば、彼女はもともととても姉思いでやさしく、温かく、けなげに頑張っている女性です。一つ、何故今まであけてなかった手紙をあけたのか、それは今まで手紙の表に絵など描いてなかったの(要確認案件3)に手書きのお花の絵があったからでしょうか。さらに、昔のハンカチのお花を覚えていたのでしょうか。。。
更に、各ディテールから監督や脚本家の方々のこだわりを感じました。
映画の途中で、結局雨がふるのかふらないのか、そのヒントになる場面。
犬の革製品の前に犬のぬいぐるみ。
傘屋になる前に傘の絵が描いてある本。
この本「자기앞의생」(「これからの一生」)はフランスの小説家 ロマン・ガリーの本です。
映画では本の表紙に傘の絵が描いてあったと思いますが(要確認案件2)
日本、韓国で発売されている本を調べたところ、傘の絵が描いてあるのはありませんでした。
つまり、これから、傘屋になろうとしていることを案じているのではと思いました。
さらに破られたページの内容。
「人は、愛する人なしでは生きられない」
ここから、今自分が好きな人をちゃんと愛せるようになるために、まずは嘘をつくのをやめよう、と思ったのでは、と思いました。
1行も読んでいないというヨンホですが、そのページを破ったのはヨンホだと思います。
そのほか「かけっこで転んで向かったゴールにはソヒがいる」なども、最後を暗示させていたように思います。
ソヨンの隣のベッドの患者さんの入れ替わりや、公園の道の舗装で時の流れがあらわされていたと思いますが、時間の経緯という意味では、
スジンがヨンホを呼び出した時、会った時はフードをかぶってなかったのに対し、歩道橋ではフードをかぶってなんとなくうつむき加減というところ。
ここは、その間に何かあったことを示しているのかなと思い、カンハヌルさんが考えたことなのか、興味深いです。
これらを通して、監督や脚本家、作り上げた皆様のこの映画に対する情熱を感じ、感動しました。
この映画は、光にあてると文字がみえてくる手紙のように、具体的に台詞で語られない行間を埋めていくと、色々なことが更にわかり、それが心にしみて、そして温かい気持ちになれる、
また、小さなことが奇跡につながると思えることから、一歩踏み出す勇気をもらえる、そんな映画だと思いました。
確認案件もあることですし、また見に行きたいと思います。
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